南アフリカ紀行
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ジャーナリストのドナルド・ウッズは、私はさまざまな国の著名人をインタビューしてきたが「スティーブ・ビコ」に及ぶ人物は一人もいない。
彼に一番近かったのがロバート・ケネディーだが、彼は周囲の状況や背景・条件で生まれでてきた。しかしビコの場合は、全て彼自身持って生まれたものだ。頑固なまでの誠実さ溢れる勇気は、人間の精神のかぎりない高揚の可能性を信じさせる。彼の勇気は、銃口を前にしても自説をまげない。倣慢なところがなくユーモア感覚もたっぷりと持ち合わせていた。

【ビコの言葉の抜粋】
★暴力のある所には混乱がある。暴力があれば再建の時期にあまりに多くの憎しみが後を引くものだ。当面の恐怖のほかにも革命後の問題が
  非常に多い。出来ることなら革命は平和的で折り合いのつくものであって欲しい。これが可能なことを願っている。
★私には個人的な野心はありません。私には希望があるだけです。
  私の希望は将来南アフリカで正義が行われるよう望むことです。
★人間が人間である以上彼らは互いにひとつの連帯によって結ばれており、それを通して世界のあらゆる不正とあらゆる過失に共同責任を負っ
  ている。犯罪や不正を阻止するために手段を尽くさなければ自分自身が共犯者となってしまう。
★思いやりの日の主な考え方は、この日によって、学生達が社会的な善悪の観念を発達させようということ、自分達を共同社会の一員として見る
  目を持たせようということを、私達が考えているような問題の解決にそのエルネギーを向けさせるようにしたいということでした。
★ブラックイズビューティフルのスローガンは、人間性の発見という私達の活動の非常に重要な面で役に立っています。黒人が自分自身を信じる
  その根源を呼び起こすものです。「君はあるがままの君でいいのだ。自分を人間として見るようにしなさい。」

これらは彼の演説ゃ裁判での発言のごく一部分を抜粋したにすぎない。彼を知れば知るほど優秀なすごい人間でだったことがうかがい知れる。
ここで彼のスポーツ観を覗いてみよう。

★南アフリカ・ラグビー連盟、南アフリカ・クリケット運営協議会、その他の黒人領域に属するスポーツ・グループの重要さは、この何年かの中に非常に影響力が大きくなってきており、部外者も含めた広い範囲の人々がその発言に耳を傾けるようになっていることです。もしスポーツ競技の世界で黒人、白人が一緒になれば、しかも完全に一緒になろうとするならば、他の世界でも考えざるを得ないでしょう。映画館についても考えねばなりません。劇場やダンスについても考えねばなりません。政治的権利についても考えねばなりません。これは雪だるま式に大きくなっていく効果があります。外部の世界は、変革について考えねばならないこと、そして変革はもう後戻りできないところにきていることを、白人南アフリカの人々に気づかせるように仕向けるだけです。歴史は必然的な目標を目指して、必然的な方向に働いていくものと、私は信じています。